セッティング編

 自分の体に合った自転車はトライアルをよりいっそう楽しくしてくれる。


《ポジションとギヤ比とライディングの関係》

●ハンドルの位置によって変わるテクニック。
 ハンドルバーの巾は、広すぎないように(巾は70cm以下、できれば64から68cmの間で。)

巾が広ければ、バランスが取りやすくなります。 しかし、広すぎると、障害物にあたりやすかったり、

腕が延び切って、充分な体重移動が出来ない。


バーの形状は、一文字よりも、センターがオフセットされたダウンヒルタイプの方がハンドルのひきつけ量が多い。

●ハンドルの位置関係とテクニック。

 ハンドルの高さについて

ハンドルが高くなるにつれて、フロントタイヤは上げやすくなる反面、上りなどでは、フロントの押さえが効きにくくなる。又、重心移動できる量も少なくなる


フロントUPなんてらくしようらくしようダニエルも簡単さ!

ハンドルが高いと前の方に体重をかけにくい
ハンドルが低いと

 
同じフオームならハンドルが低いほうがフロントタイヤの上がる量が多い。

フロントタイヤが同じ高さなら体の伸び上がる力を大きくできる。
フロントUPはチョットしにくいけどステアケースは行きやすいよ


《ハンドルの距離について》

●ハンドルが近ければ

後輪加重がしやすくフロントが上げやすく、下りにも強くなる反面、リアタイヤを上げにくくなる。

又、近すぎると太股とハンドルが当たりやすくなり、上りのホッピンクなどで十分体が動かなくなる。
●ハンドルが遠い場合は

ハンドルを切った時のバーの動さが大きくなりそれに合わせて体の動きも大きくなる。

ジヤツクナイフはしやすくなるが、自転車自体が一回り大きくなった感じで、もたっとした印象になる。

自分のライディングスタイルにあったポジションに出来るのがベストですが、不得意なテクニックをカバーするポジションを考えるのもよいでしょう。

●ギヤ比について

 トライアルでは、軽いギヤを使いますが、一体どのポジションがよいのでしょうか。

目安としては、自転車のホイルべ一ス分をクランク半回転弱で移動するくらいがよいでしよう。
例えば、フロント20Tに対してリア18T(軽め)又は、17T(重め)くらいです。

20一18(軽め)のギヤは、フロントUPやダニエルがやり易く、水中などの抵抗が大きい所で効果的。

20一17(重め)のギヤは、大きな腕発力、ジャンプとかステアケース等で効果的です。

最近主流のパワーライディングはこっちの方かな




番外編

【あなたは“STANDING STILL”してますか?】

おおかたトライアルの試合に出てくる人は、一通りスタンディングは出来ると思いますが、もしかしてそれは“Standing Still”ではなくて“Standing”なのではないでしようか。
英和辞典をひもとくと“Standing” とは、“立つている、立つたままの”で、“Still”とは、“静かな、静止した”と、載っています。つまりフロントや、リヤタイヤをホッピングさせないスタンディングと言うことになります。
世界選に出場している上位選手をご覧になった方も多いと思いますが、彼らは、必要なとき以外はあまりホッピングしません。又、全日本選手権に出てくるトップライダー達もしかりです。そして、それは、マウンテンバイクにも当てはまるのです。 それでは、トライアルがうまくなればスタンデイングも上手くなるのか?と、聞かれればそれは、YES、でありN0、でもあると思います。中には、天性の素質によって上手くなる人もいるでしょうが、多くの人はじみちな努力のたまものなのです。 ステアケースの練習をしようと思えばそれに見合ったステアが必要ですが、スタンデイングの練習には、じみちな努力をおしまない気持ちさえあればどんな所でもできます。そしてちょっとした石や、角材などを使えば練習のバ リエーションがどんどん広がります。
では、なぜ、“Standing Still”が大切なのか、
?大きな動作をするときに力をためやすい。
?グリップの悪い所で安定する。
?凹凸の激しい所で安定する。
?フロントやリアを振つた後の安定感。
?予期せぬ自転車の動き、暴れに対処しやすい。
他、まだまだあります。
そして、?のフロントや、リヤを振る事もスタンデイングと同じくらい大切です。自分の思った所へちゃんとフロントなりリアタイヤが行く様に練習して下さい。又、正確なマシンコントロールとバランス感覚があば、マシンを最小かつスピーディーに扱うことができ、セクション内の時間短縮にもつながります。


【おまけ】

《スタンデイングの練習例》

★地面に10 cmくらいの巾でラインを引き、始めはホツピングしてもかまわないからその中から出ないように スタンデイング出来るように、そして、徐々にホッピングをしないようにする。
★今度は、巾10cmくらいの角材で同じように練習する。
★公園などでやはり10cm巾くらいの直線をさがし、一本橋の要領で走り、途中で一旦止まり、スタンデイングして、又走り出す。
★なれてきたらどんどん巾を狭くして行く。
★高さがあって不安定な所でスタンデイング。(ホツピングしてもかまわないが不安定な所だから実際ホツピングすればするほどバランスを崩しやすい。)
★フロントとリアの高さを変えてのスタンデイング。(フロントが高い場合、リアが高い場合、又、高さをいろいろ変える。)
★高さが変わっても巾が同じなら結局地面でのスタンデイングと同じです。高くなればバランスのコントロールと共に気持ちのコントロールも忘れずに。

《フロント、リアを振る練習例》

★フロントなり、リアなりを軸にしてホイルベース分の距離にいくつか印をつけ、フロントやリアを振つて印にちゃんとのるようにする。なれてきたら印の代わりに角材や石などを使ってみる。又、色々な高さを入れてみる。
これは、一例ですから自分なりに練習方法を考えてみて下さい。そしてすばらしいバランス感覚を身に付けて下さい。


【トライアルの試合に出てみよう】

《トライアルのルール》

決められたコース(セクション)をいかに足を着かずにクリアーするかを競う競技がトライアルです。そして自転車を使って行うトライアルを『バイクトライアル』と言います。
採点方法は、足着き無しで0点。1回足着き1点。2回足着き2点。3回、4回足着き3点。5回足着き5点。又、転倒、セクションから自転車がはみ出た場合も5点。その他、こまかなルールがありますが、これはBJU(日本バイクトライアル連盟)発表のものに従います。
一つの大会では、数セクションを走り合計減点数の少ない人から順位を付けます。又、年齢やキャリアによって難易度の違う幾つかのクラスにわけてあります。

《セクションの下見》

一つのセクションで数クラスが走りますので、セクション内にあるマーカーで自分の走るコースを確かめるためと、どこをどう行けばスムーズに走れるかという『ライン』を決めるために下見をします

《ラインを決める》

なるべく走り易そうな所を選び、ターンをする場合などは、なるべく広い所で。
上りや段差のあるときは、できるだけ助走が取れる場所を。
曲がるときには、内輪差を考えて後輪が通るラインを重視。


TRの巻はこれで終わりです


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